新卒で就職といえば、かつての日本のように大学を卒業して入った初めての会社で定年まで勤めあげ、それによって役職も給与も上がる仕組みになっていた年功序列制度が当たり前でした。
ところがライフスタイルの変化の流れと共に多様な働き方や仕事に対する価値観が認められるようになり、異なる会社で経験を積みながらキャリアアップをする転職が珍しくなくなった今の時代。
その流れをぜひとも後押ししたい気持ちもあるのですが、それと同時に新たに浮き彫りになってきた問題が新卒人材の「早期離職」。
ここ最近の新卒採用者の3年以内の離職率は３割を超えているというデータもあり、企業にとって大きな痛手になっています。
ラーニングイノベーション総合研究所が行った、「新卒の入社前後のギャップに関する意識調査」によると、仕事内容や人間関係、職場環境において入社前の理想と入社後の現実にギャップが生じてしまい、離職を考えてしまうケースが多いようです。採用コストをかけて優秀な人材を集めても、すぐに離職されてしまうと実にもったいないですね。
今回は、早期離職をできるだけ防ぐ２つのポイントについてお話したいと思います。
１）1:1は上司だけのものではない！メンターや同僚と関わる機会を。
先述したラーニングイノベーション総合研究所が行った調査によると、上司との関係性にギャップを感じている新入社員は「辞めたい」と感じる傾向が強いことがわかったそう。上司とのコミュニ ケーションやアドバイス・悩みなど、相談できる環境があるか否かが大きく影響していると考えられます。
ただし、上司の関係もそうですが、それを乗り越えられるのが一緒に辛い仕事も励ましあって乗り越えていける同僚との関係性だったり、入社時や研修でお世話になったメンター的な存在だったりもします。
組織をあげて上司との1:1を導入している企業は多いですが、ぜひその範囲を広げて周りの人間関係にも気を配ってみてください。積極的に社内の他部署と関われるイベントやワークショップ、チームランチやディナーの福利厚生などもいいかもしれません。
２）風通しの良い職場環境を作る
もう１つ、人材の定着率に影響を及ぼすのは「職場の雰囲気・文化」。先述の調査によると、職場の雰囲気や文化に関しては「想定していたより意見が言いづらい風通しの悪い職場だった」が離職の上位の原因になっていました。
常にトップダウンで言われたことだけをやればいい、の仕事スタイルではせっかく入社した優秀な人材は物足りなくなってしまうでしょう。また、新卒だからこそのフレッシュな意見でプロジェクトに新しい風を吹かせることもできるはず。
そのバランスをうまくとって、ほんの少しでも新入社員が活躍できる場を作ってあげると仕事のやりがいもアップし、定着率の改善にもつながるでしょう。
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