ACグローバルソリューションズのアニー・チャンです。
昨日、日本のビジネス業界に大きな衝撃が走りました。
そう、「ユニクロ」や「GU」などを展開するファーストリテイリングの賃上げニュースです。
3月から国内正社員ら約8400人の賃上げに踏み切り、上げ幅は年収にして最大4割。とても思い切った決断であり、このニュースを聞いてとても感激しています。
賃上げの背景には、グローバル企業として持続的な成長を促す人材の確保を強化すると共に、物価高騰が社員の生活へ及ぼす影響も考慮する目的もあるそう。
現在日本は、あらゆる産業で深刻な人材不足の危機に直面しています。採用以上に定着が重要になってきています。
わたしも人材紹介業界に30年以上携わっていますが、外資系企業と日本企業の給与格差が大きいことを実感しています。
東京商工リサーチによると、上場企業3213社の21年度平均年収は605万円。ファーストリテイリングは平均年収が959万円と350万円ほど上回っています。
しかし、同社は20以上の国・地域に進出している世界3位のアパレル大手で、売上高の半分程度を海外事業が占めています。人材獲得でライバルとなる海外のコンサルタント会社やIT大手に比べ報酬が見劣りするため、同社は危機感を強めていました。
人口が減少し続ける中、世界水準の給与改革を行いインセンティブベースを増やすことは、日本が世界中から人材を獲得するのにつながるでしょう。
また、この種の決断がPeer Pressure(同調圧力)となり、他の国内大手企業に与える影響も今後注目して見ていきたいですね。